サプリメントはさまざまなメーカーからいろいろな成分が販売されており、情報が氾濫しています。サプリメントアドバイザーは、そんなサプリの情報を正確に把握し、消費者のニーズに合う商品を提案できるノウハウを持つ資格保持者のことです。
サプリメントは消費者も気軽に購入しやすいためにニーズも高く、登録販売者の資格に加えてサプリメントアドバイザーのスキルがあれば、さらにキャリアアップにつながるでしょう。こちらでは、サプリメントアドバイザーの役割や資格について詳しく紹介していきます。
サプリメントとは機能性食品のことで、健康食品に分類されます。サプリはビタミンやミネラルといった健康維持や増進に役立つ成分を、濃縮して錠剤やカプセル状にしたものです。
食事だけでは不足しがちな栄養素の補給や、美容やダイエット、疲労回復など、人によって目的は異なりますが、医薬品より気軽に摂取しやすいのが特徴。病気になる前の予防対策として注目されている「セルフメディケーション」の一環として、今後も需要は伸び続けるでしょう。
一般的にサプリは副作用のないものとされています。しかし必要量以上の成分を短期間に摂取したり、複数のサプリを一度に飲んだり、服用中の医薬品との飲み合わせによっては、健康被害や体調不良を起こす可能性もあります。
そうならないよう、購入の際にお客様の相談を受けたり、正しい情報をもとにアドバイスできるのがサプリメントアドバイザーです。
多くのサプリメントアドバイザーの資格は、テキストや通信制教育などプライベートな時間を使って学習できます。しかし中には講習会などの参加や聴講が義務付けられているものもあります。
また受験タイプの場合、試験会場が限られたエリアしか開催されていないため、場所をチェックしておくことも大切です。どの資格もそれなりの費用がかかるため、絶対に資格が取れるように、自身のライフスタイルに合うものを選びましょう。
サプリメントアドバイザーの資格は国家試験ではありません。さまざまな民間団体から認定資格が設けられており、資格取得の手順やかかる費用が異なります。こちらでは、主なサプリメントアドバイザーの資格取得について紹介していきます。
メディカルサプリメントアドバイザーは、医療従事者のみに受験資格があり、薬剤師や登録販売者も含まれています。拡大するサプリメント市場の情報を正確に入手し、患者さんやお客様へ薬との飲み合わせなどを的確に指導できる人材を育てるための上級資格です。
メディカルサプリメントアドバイザーは、今回紹介する中で最も難易度が高いとされますが、マイペースで学習できるe-ラーニングを導入していたり、試験準備が整ったら随時試験を受けられたりする柔軟性も持ちあわせています。
NR・サプリメントアドバイザーは、お客様にサプリや保健機能食品の適正な使用方法を指導できる資格です。薬剤師や登録販売者、管理栄養士といった職種の方たちが受検しています。年1回の試験しかなく、資格取得後も5年ごとに更新が必要です。
サプリメントフォーラムの聴講や通信教育の再受講など50単位を取らなければいけないため、それなりに時間をかけて学習することになるでしょう。
日本ニュートリション協会は、日本で初めてサプリメントアドバイザーの認定を設けた団体です。サプリメント先進国のアメリカの栄養学と、厚生労働省のガイドラインに沿ったカリキュラムのテキストをもとに学習します。
とくに試験はなく、問題集を解いて課題を協会へ送りすべてに合格したら修了証が与えられます。サプリメントアドバイザーの試験の中でも、難易度は低めです。
サプリメントアドバイザーという名称の資格がもうひとつあります。日本臨床栄養協会という栄養士や医師などで構成される協会によるもので、協会の会員のみが受検できます。
栄養学や公衆衛生学、サプリメントといった必須6科目と、3科目より2科目選択の試験を受けるのが、日本ニュートリション協会のサプリメントアドバイザーとの違いです。受験資格や講習会への参加などの条件を設け、レベルの高いアドバイザーを育成しようという認定試験であることがわかります。
日本ヘルスケアサプリメント協会による資格試験です。テキストを注文して自己学習を行い試験に臨みます。栄養や成分、法的コンプライアンスなど基礎的な内容のため、登録販売者の資格を取得している方なら難しくないでしょう。全国260カ所の試験会場で受験できること、費用が安いのがメリットです。
ドラッグストアやスーパーのドラッグ売り場では、市販薬のほかに健康食品やサプリのコーナーが幅広く取られているのを目にします。とくに女性や若い年代ほどサプリに対して好意的で、今後も需要が伸びていくと予想できます。
店舗で登録販売者としての仕事に慣れてきたら、次のステップアップのために取っておきたい認定資格です。
「A社とB社のビタミンCはどこが違うの?」
「肌荒れにはどのサプリがおすすめ?」
「このサプリは1日なん粒摂取すればいいの?」
このような質問を、店頭で直接お客様と接する登録販売者なら受けたことがある人が多いのではないでしょうか。
民間試験であるサプリメントアドバイザーの資格は、取得したとしても給与に反映することはないかもしれません。しかしサプリメントの知識を深め、消費者にアドバイスできたり質問に円滑に答えられる登録販売者は、お店からも重宝されてキャリアアップにつながる可能性があります。
登録販売者の次の資格を狙っている方は、サプリメントアドバイザーを目指してみるのではいかがでしょうか。