WHOでは、セルフメディケーションとは「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な体の不調は自分で手当てすること」と定義されています。急速な高齢化が進む日本でも、今後の国民医療費を抑えるためにセルフメディケ―ションが推進されています。
こちらでは、セルフメディケ―ションの内容や、セルフメディケーション税制などについて紹介していきます。
セルフメディケーションは、健康的に過ごすために意識的に健康管理に関わることを言います。バランスのよい食生活や適度な運動、良質な睡眠などのライフスタイルを見直して、病気の予防と健康維持に務めていこうという目標です。
私たち一人ひとりが健康に気を配ることで、日々の健康管理が習慣になって生活習慣病などの疾患増加を抑制し、国民医療費の増加を防ぐことができると期待されています。また自分自身の体を知り、医療や薬などの知識も身に付くメリットもあります。
セルフメディケ―ションのすすめの中には「軽度な身体の不調であれば、OTC医薬品を上手に利用して手当てする」という内容があります。
こんな状況の時に、お客様のサポートや相談にのれるのが薬剤師や登録販売者です。
いつから、どのような症状があり、どの程度の強さなのか?症状の経過はどのようなものであったのか?症状の前の状況(飲食など)、持病や日常的に服用している薬やサプリ、車の運転の有無などを聞き取り、適切な医薬品を提案します。
お客様の症状によっては、薬剤師さんと相談して医療機関へ来院したほうがよいとすすめることも、ひとつのサジェスチョンです。
セルフメディケ―ション税制とは、2017年1月から新たに施行された医療費控除の特例のことです。健康診断や予防接種などを受けている人で、OTC医薬品を年間12,000円以上利用した場合、確定申告して所得控除されるという制度です。
確定申告の際には、健康診断の結果などを提示して、健康保持や病気にならないための予防を意識的に行っていることを証明する必要があります。セルフメディケーション税制を申告するには、下記の3つの内容証明が必要です。
OTC医薬品のすべてがセルフメディケ―ション税制の対象となるわけではありません。医療用医薬品でも使われる88の成分を含む商品となり、2020年9月末日時点では、1,830品目が対象となっています。
セルフメディケーション税制対象商品の多くは、パッケージに「識別マーク」が表示されています。また購入した際のレシートには、かならず税制対象の商品であることが記載されます。登録販売者の方(店舗スタッフ)は、お客様へレシートを保管するように必ず促してください。
登録販売者の資格は、テキストや講習などの座学によって取得できますが、実際のスキルは、お客様との実践的コミュニケーションによって得られます。的確なセルフメディケ―ションの相談に応じるためのスキル法をまとめてみました。
医薬品やサプリの成分、薬事法などの専門用語は、素人からすると難しいものです。自分に専門的知識があっても、その用語をそのまま言葉にしては、お客様に正しい情報は伝わりません。医薬品のプロだからこそ、具体例や理解しやすい表現を使って、成分の特徴や注意点を説明してください。
セルフメディケ―ションや税制システムを、よく知らないお客様もいるかもしれません。そんな方への説明もわかりやすくしてあげましょう。
新しい医薬品やサプリメント、健康食品の情報は常にアップデートしておきましょう。セルフメディケ―ションに加わった新たな成分や商品、薬事法の改正など新しい法的知識も頭に入れておく必要です。お客様からすれば、登録販売者は医薬品のプロです。常に新しい情報をアップデートして、お客様へ適切な商品を勧める知識を身に着けておきます。
お客様の中には人と話すことが苦手な方や、体調をうまく伝えられない方がいます。
そういった方に対しても上手に話を聞きだすことも、登録販売者として大切な役目です。日頃から人に興味を持って観察し、相手の気持ちをくみ取る訓練をしましょう。お客様からの声はもちろん、顔色や肌・唇・爪の状態、様子やしぐさなどを見て、正しい情報を引き出すことで、より適切な商品を案内できます。
登録販売者の仕事は接客だけではありません。レジ打ちから品出し、在庫管理、利用しやすい店舗づくりなど多岐にわたります。登録販売者の資格を取ったばかりの人にとって覚えることが盛りだくさんで、自己流の接客法を極めるのは大変です。
そんな時は、接客上手な先輩スタッフを見つけ、接客法を観察してマネすることから始めましょう。声かけや話し方、聞き取り方などを参考にしてください。