2009年に薬事法改正によって誕生した「登録販売者」の資格はどのように取得できるのでしょうか?このページでは、試験概要や資格取得に必要なノウハウについて紹介していきます。
登録販売者は公的資格です。学歴や年齢などの受験資格は特に設けられておらず、誰でも受検できるのがポイントです。試験内容も筆記試験のみです。
試験合格後に都道府県に登録すれば、「登録販売者」になれます。ただし、すぐにひとりで医薬品販売ができるわけではないことは心に留めておいてください。試験に合格しただけでは、まだ研修中の立場です。薬剤師や登録販売者のいる店舗管理者の元で、2年以上の業務経験を積んではじめて「正規」の登録販売者となります。
登録販売者の試験は年に1回です。都道府県ごとに実施され、試験日程も都道府県ごとに異なります。例年は8月下旬から12月下旬ごろまでに試験は実施され、受検のための申し込み締め切り日は各試験日の2カ月ほど前となっています。各都道府県の試験実施日と申し込み期日は、大きく変わることはないようなので、参考までに幾つかの都道府県の2021年度の試験日を下記に紹介してみましょう。
合格発表は、試験日から5~7週間後にされています。尚、2022年度の正式な試験日は、例年の傾向に基づくと2022年4月頃から随時発表される見込みです。
都道府県ごとの登録販売者資格の受検情報を確認してください。基本的には、都道府県別に決めた配布場所へ行って受け取る、または、郵送(郵送費などは自己負担になる)のいずれかとなるでしょう。配布場所は、保健福祉事務所や健康福祉センター、保健福祉薬務課などが一般的です。
受検のための願書の提出も都道府県によって異なります。原則「郵送」としている場所もあれば、原則「直接持ち込み」としている場所もあります。
【願書に必要な書類】
受検費用についても都道府県によって異なります。2021年で一番受検費用が高かったのが北海道の18,200円、一番安かったのが12,800円で近畿エリアや和歌山県、徳島県などの6つの府県でした。 ちなみに東京都の受検費用は13,600円でした。
願書を送って間もなくすると、受験票が送られてきます。試験当日必要なものなので、失くさないように保管してください。
登録販売者の試験形式は筆記試験(多肢選択式)で実施され、出題内容は下記の通り合計120問を解くことになります。また、都道府県によって試験日がことなるため、出題内容は当然異なってきます。
【出題内容】
試験の合格基準は全体の7割以上の正答、つまり84問以上正解であれば合格です。
各都道府県で試験日程が異なるため、出題内容も当然異なります。厚生労働省では「試験問題の作成に関する手引き」を打ち出し、出題範囲のガイドラインを示して試験の難易度に格差が出ないように調整しています。
それでも出題の難易度、または試験に挑む学習度の格差なのか、合格率に大きな差が生じています。2020年度の登録販売者試験では、全国平均の合格率は41.5%であった一方で都道府県別の合格率は以下の通り大きな差が生じています。
【2020年度の合格率ベスト3】
【2020年度の合格率ワースト3】
ご覧のように、広島県と埼玉県では試験合格率に30%近い開きが出ているため、難易度の高さを一言で表現できないのが現実です。
念頭に置いておきたいのは、出題全体のうちの7割以上、かつ各科目35%以上を正解すれば合格だということ。練習問題や過去の出題例などを参考にして、試験日に向けて各科目バランスよく学習することが大切です。